フェミニストの結婚準備録

ゆとり世代のフェミニストが結婚するまでと結婚してからの記録です

名字どうするんだ問題@2017年 とあるフェミニストOLの場合


やってくるその時

www.huffingtonpost.jp

期せずして、青野社長の裁判で
選択的夫婦別姓への注目が集まっているタイミングではありますが

2017年の「いま」、結婚という制度の利用を考える以上、夫婦別姓を選ぶことはできません。

結婚を決意した私たちカップルにも、
否応無しに選択の時が迫って参りました。


自分の名字への思い入れ

生まれた時から慣れ親しんだ名字ですから、
皆さん少なからず何かしらの思いを持っているかと思います。

私の場合は、特徴的な名字で
勇ましく、力強く、縁起もよいの三拍子。
古風な下の名と合わさって、氏名からして態度がでかい…という有様だったのですが
この名前こそ、自分自身のアイデンティティだと大変気に入っておりました。

親に頼まれたことはありませんが、女兄弟だけだったこともあり
私がこの姓を名乗り続けるのだともずっと思っていたのです。

そして、「結婚したら当然女が嫁に入り、姓を変えるべき」なんて考えにも、
当然反発心があり……

付き合っていた男性と結婚の話がふんわり出るたびに
「私が姓を変えるのが当然だと思わないでよ」
と釘を刺しまくっていました。

夫となる彼に対しても、付き合った当初から
自分の姓に対する思いは強く伝えてきていましたので、
「(長男でもないし)俺が名前を変えるという選択もあるのかな」とぽろっと彼が言った時には
プロポーズを受け入れてもらった時以上に嬉しかったです。

 

ところがどっこい

それでも、いざ結婚!となった段には
この問題が大きな壁として立ちはだかってきました。

彼が伝えてくれた気持ちは、こうでした。

・やっぱり、自分が姓を変えるというイメージが湧かない
・絶対俺の名字になってとは言えないが、今、自分が姓を変えるという決断はできない

(そりゃ、そうですよね……)

私の実家が女兄弟で、その姓を名乗る人がいなくなってしまうという点を踏まえ、
まずは結婚の挨拶をしに行く段階で、私の親にも意見をきくことになりました。

 

自分が嫌なことを、パートナーに強制するのっておかしい

当の私の親はというと、
娘しかいない時点でそういうものだと思っていたのか、
姓について尋ねても特に何もなく、彼の婿入りを希望することはありませんでした。

(少し意外というか、残念な気持ちにはなりましたが…)


あとは私の気持ち次第。


悩みましたが、私が彼の姓に変えることに決めました。

正直、まだ少し引きずっている部分もあるのですが
・仕事は旧姓で続けられること(キャリアネーム制度)
・相手の名字もまた、私の名字に負けないくらい珍しく、縁起のいいものであったこ

が心の支えとなっています。

 

調べたら、どちらの名字も全国に500人いませんでした

myoji-yurai.net


「結婚したら、女の子は名字が変わるのよ」と言われ続け、
それに反発したい気持ちから
姓を変えるということで
社会的にどんな手続きが発生し、どんな不利益・コストがかかるのか
物心ついたときからずっと調べてきましたから

 

それを私に強制してくる相手はもちろんNGですが
私がそれを相手に強制することもまたNGだと思ったのです。

 

まだまだ私にもミソジニーが植えつけられているのかなあ……と思いますが
文句を言って、悩ませてもらっただけ、幸せかもなとも感じてしまいました。

 

改姓を乗り越える、改姓を受け入れる

旧姓を捨てるのではなく、新しい姓を貰うのだ、というつもりで今はおりますが
戸籍上の姓を変えることを自分の中で受け止めるために
いくつかささやかな試みをしています。

  • 旧姓で生活する場所を作る

私の場合は、会社でキャリアネームを使いますので、
1日最低8時間は旧姓のままで過ごします。
学生時代のコミュニティやSNSでの名前表示も
旧姓のままで、備考に新姓を書くようにしています。

  • 新姓の印鑑をこだわって作る

それでも、戸籍の名前を変える以上、公的機関では新姓を使う必要がありますので
改姓手続きを少しでも楽しくできるよう、印鑑はこだわって作りました。
認印、銀行印、シャチハタと3種類も作りました)

3つとも気になっていた印鑑のデザインですが、そのうちの1つは366日の花個紋の印鑑です。

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自分の誕生日の花個紋と個意ことば(花言葉のようなもの)が
「こうありたい」と思えるものだったので
姓が変わっても誕生日は変わらない、という気持ちで作りました。

  • 旧姓や名にゆかりあるものを結婚式や指輪などに取り入れる

このブログは結婚式に招く友人達も多く読んでいるので
あまり詳しくは書きませんが、思い出に残る挙式や夫婦の証として残る指輪にも
自分の名前にちなんだものを取り入れています。

事実婚という選択

そこまで姓を変えるのが嫌なら、事実婚でもいいんじゃない?という人もいましたが
前回の記事の通り、
勤め先と私の労働観から、同居から始めることができませんでしたので
住民票のみ一緒にし、未届の妻となることは現実的ではありませんでした。

 

事実婚についてはこちら。

best-legal.jp

 

事実婚をする人も増えてきている、とのことですが
すぐに一緒に住めない中、
将来的にこの人と支え合って生きていきたいという意思を社会に示すには
結婚という選択肢が私たちにとっては有効かな、と思っています。


1日でも早く選択的夫婦別姓が合憲となる日を願いながら
私は2つの姓で生きて行くことを決めました。